廃園

一次二次創作を含む世迷言です。何でも許せる方のみどうぞ。あくまで個人的な発言につき、転載、引用はお断り致します。

【GO】優しい雨なら悪くない

GO

「雨」「果実」「仕事」 いただいたお題より 初めての雨を覚えている 天使の姿を真似て作った「人型」は、陽を照り返す鱗もなく肉を噛み裂く牙もなく、どうにもひ弱で頼りなく思えたが、それでもまぁまぁ天使と並び立つ程度には様になっていたと自負している…

【TQ】誰がために鐘は鳴る

TQ

──ピッピッピ、と左腕のダイバーズウォッチがアラームを刻む。 何か忘れ物を思い出したかのようにストップボタンを押しながら、実際記憶にないのだが、一時間前のアラームはいつの間に鳴っていたのだろうと、その特徴的な片二重をほんの少し寄せて、真田はじ…

【雑文】

[chapter:■004:白い花■] ───切り立った崖の中腹に、小さな白い花が咲いている。 それは、以前にたった一度、友人からもらって、そして、枯らしてしまった花だった。 大事にしていたつもりだったのに、惰性からの思い上がりで、枯らしてしまった花だった。 ─…

【SSS−03】

[chapter:■009:おひるごはん■] 休日の晴れた日には 庭の木陰にシートを引いて 大きなバスケット一杯に ぎゅうぎゅうに何を詰めようか? サンドイッチにコールスロー フライドチキンに手作りのピクルスだって 昨日から仕込んだバゲットも そうそう 美味しい…

【ちいさなこいのうた2】

TQ

■ちいさなこいのうた 2 ひろいうちゅうの かずあるひとつ あおいちきゅうの ひろいせかいで ちいさなこいの おもいはとどく ちいさなしまの あなたのもとへ 「やーいい式でしたね! 嫁さんは綺麗だし飯は旨かったし!」「そうだな」 あなたとであい ときはな…

【ちいさなこいのうた】

TQ

■ちいさなこいのうた ひろいうちゅうの かずあるひとつ あおいちきゅうの ひろいせかいで ちいさなこいの おもいはとどく ちいさなしまの あなたのもとへ 「やーいい式でしたね! 嫁さんは綺麗だし飯は旨かったし!」「そうだな」 あなたとであい ときはなが…

【Blessing】

「──祝福してくれないか? ピッコロ」「……………祝福?」「───ああ。神でもあり魔王でもあるお前に祝福してもらえたなら、きっとこの子は世界で一番倖せになれる」 五月晴れの午後、神殿が位置する上空独特の真直ぐ通る風に靡く髪を押さえながら、静かな確信に…

【Better leave it unsaid, but】

「………………………あ−ブルマ………」「何?」「………………悪かったな、わざわざ……………済まなかった」「………ねぇピッコロ?」「………………?」「アタシはね、迷惑だとも思ってないし、あんたがアタシを頼ってくれた事を嬉しいと思ってるわ。………今みたいに、あんたがアタシに対し…

【僕と あなたと あなたと 僕と】

世界が秋への衣替えを始めるこの季節、騒がしき人界では上期下期の切替の真っ最中で。 悟飯の勤める大学では、世間一般で云う処の売上の締めだの商品の棚卸だのといった雑事とは無関係でいられるかと思ったが、やっぱり其処はそれ庶務の方から備品の在庫やら…

【SSS−02】

TQ

[chapter:■空への梯子] 「いよいよ救助が始まりましたね」「ああ」「地下七百メートル、落っこって生きてたんも奇跡なら、脱出も奇跡や」「きっと、世界中のレスキューマンがこの映像を見てるだろうな。だが、脱出は奇跡じゃ出来ない」「…」「どんなに不可能…

【SSS−01】

TQ

[chapter:■9月14日めざましにて] 「なんやこれ防基じゃないすか」 アナ『その下は裸なんですか?』 隊員『いや、もう一枚着てます』 アナ『そうなんですか』 ───ジッパーを引き下げて 隊員『胸毛を』 アナ(笑) 「これ、こないだ俺らが出動してた時のんすね…

【SSS-01】

[chapter:■001:晴れた日に■] 晴れた日には、何をしようか? カーテン越しの日射しに眸を伏せながら、もう少しだけ、朝寝坊を決め込むのも気持ちいい。 遅い朝御飯をバスケットに詰め込んで、庭の木陰でゆっくり頬張るのも悪くない。 ショッピング?映画?ド…

【indulge】

「デートしましょう」 二週間ぶりの休日だった。 スタッフが次々とインフルエンザで倒れる中での研究は当然ながら人手不足で、此処暫くは研究室にこもりっきりだった。たまに帰るのは着替えを取りに行く程度の時間で、それも真夜中、起こさないよう眠る恋人…

【朝の風景】

カーテンの隙間から差し込む朝日が、閉じた瞼越しに沈んだ意識をゆっくりとノックした。 浮かび上がる意識より早く、腕が肩口に掛かる重みを確認し、毛布を引き寄せ抱き締める。 ─────────その『至福』 寝起きの悪い自分と違い、普段夜明けと共に起き出す彼…

【雑文】コイノウタ

++ コイノウタ ++ 恋をしている 何時だってキミに恋をしている 見つめる視線で 霞める甘い香りで 溢れる吐息で 触れた指先で この瞬間ですらキミが愛しい キミが欲しい キミだけが欲しい 笑うキミが愛しい 泣くキミが恋しい 何処までいっても止まらないこの…

【かごめかごめ】

TQ

「しまもと」 ………呼ばれる度、じくりと痛い。 きっかけはひょんな誤解から。 その竹を割ったような潔さに見惚れた女性の隣に彼がいて、矢も盾も堪らず勝負を申し込んだ。 理由は今でもわからない。でも、あの瞬間感じたのだ。 ───今ここで彼を越えなければ、…

【櫻の花の 満開の下】

「おーい、ユミちゃん、ここやここ!」 聞き慣れた声がする。 濁った都会の空気を割るすっきりと乾いた声色に、弓生は微かに微笑んだ。 永い永い年月を共に歩いて来た。苦しい時も辛い時も………楽しい時も。 自ら人を喰らって『鬼』になった。 闇を産み、噴き…

【透きとおる愛を、あなたに】

「教授も孫先生も休憩になさいませんか? 朝からずっと温室に籠りっぱなしですよ。冷たいものでもお煎れしますからどうぞ」「ミス、マリア」「やぁ、それはありがたいね。そっちの方はどうだい? 孫君」「あとはこの苗の成長記録を写せば一区切りといった所…

【日々是好日】

TQ

洗い物は済ませた。 気になっていた水周りの掃除もした。 玄関の砂もきれいに掃いて、防水スプレーを噴き付けた革靴の手入れもばっちり。スーツのブラッシングだって完璧だ。 ここ数日の出動続きで溜まってしまっていた汚れ物は、静音が売りの最新型洗濯機に…

【きみのいるふゆ いないふゆ】

そらからしろいふわふわがふってくる ふわふわして、つめたくて、みてるとなんでかむねがいたくなるきがする 「ゆき」がふってきたら「ふゆ」なんだって おれはみるのはさんかいめだ うまれてからさんかい、「ふゆ」になった ……あいつはなんかいめかな 「こ…

【BEANS attack】

鬼は内、福も内。 だって我が家においては大魔王様が倖せをくれるから。 ++ BEANS attack ++ 「おにはーうちー!」 開け放った窓から入り込む冷気を押し返す勢いで、淡く光りを反射した小さな粒が夜の庭に舞っている。二月に入ったとは云えまだまだ冬と云え…

【new Face】

いらっしゃい。 はじめまして。 そして、おかえりなさい。 ++ new Face ++ 排気を地面に叩き付けぬようにそっとエアカーを接地させる。大学を出る時に電話はしなかったけど、きっとあなたは居てくれるって思った。街を抜けて、家が見えて───そして長身の影が…

【I love someone, and that someone is you.】

TQ

■I love someone, and that someone is you. 「う~~~っ!」 自分の身長が日本人男性の平均にほんの少し満たない事は承知の上である。 だがしかし、もって生まれた童顔と合わせて自分を過小評価してくさる不逞の輩にきっちり立場を分からせるべく効かせる…

【初恋ニ非ズ】

※同人誌Web再録初恋ニ非ズ

【青い悪魔は笑う羊の夢を見るか?】

※同人誌Web再録 青い悪魔は笑う羊の夢を見るか?

【スーパームーン】

「見てみろよ。霧越しとはいえすごい満月だな。正にスーパームーンだ」 人界と異界の狭間で狂乱のお祭り騒ぎを繰り広げる境界都市――ヘルサレムズ・ロット。 やぁ今夜はスーパームーンだ 君の国では月には何が見える? 誰が住んでいるんだい? 兎か賢者か姫か…

【 Hello, World ! 】

※同人誌Web再録 探していたんだ―――君だけを 何もなかった―――俺の中には 誰もいなかった―――俺の隣には 探していたんだ―――誰とも解らずに この心が叫ぶ―――「たったひとりの誰か」を Hello, World !

【NO TITLE】

荻のクラステで「お嫁さんのベールみたいに」とかどうでしょう。 「うわ凄い吹雪だな、殆ど真横じゃないか」「君は寒さには強いのかと」「冬の極東を簡単に寒さとか言うなよ。さっさと殲滅するぞ」 正面からぶつかり巻き上がる風が、雪と片割れの男の髪を浚…

【NO TITLE】

狂騒のピエロと流血の異形、博愛を投げ売りする娼婦が三人でステップを踏み鳴らす街──ヘルサレムズ・ロット。くるくると、およそ重力や慣性と呼ばれる人界の物理的法則なぞかくや、と思わせる動きに踏みにじられた草は、泥酔した人間の声で薄汚い悲鳴を上げ…

【ラブレター・フロム】

【ラブレター・フロム】 いろいろモチーフぶっ込んだクラステ。途中いろいろあり過ぎますが、最後はハッピーエンドです。畑さんから大筋お借りしています。※ついったで連載みたいに書いていました