廃園

一次二次創作を含む世迷言です。何でも許せる方のみどうぞ。あくまで個人的な発言につき、転載、引用はお断り致します。

【きみのいるふゆ いないふゆ】

 

 

 

 


 そらからしろいふわふわがふってくる
 ふわふわして、つめたくて、みてるとなんでかむねがいたくなるきがする

 「ゆき」がふってきたら「ふゆ」なんだって

 おれはみるのはさんかいめだ
 うまれてからさんかい、「ふゆ」になった

 ……あいつはなんかいめかな


「こがねー? ご飯だぞー?」
「しっ」

「どうしたんです? …ああ、また外を見ていたんですね」
「外に出られんから退屈なんだろう。置き去りくらってるしな」
「こがねの足はまだ治ってませんからね。雪遊びはもうちょっと我慢してもらわないと……こがねが見てるって事は、ろいは?」
「あそこだ。外に出て随分経つから、そろそろ戻ってくるだろ」


 まっしろいにわに、まっくろのろい
 ろいだけうかびあがってるみたいにとくべつで、きれいだっていったのに。なんであんなかおをするのかな

 『くろいしみみたいだろう。おれはよごれてるからな』

 まっくろのけなみはつやつやしてて、みどりいろのめもとてもきれいなのに
 すごくきれいなのに


「冬に死にかけてたくせに、どうして外に出たがるんだかな」
「本当に。散歩という訳じゃなさそうですしね」


 さがしものがあるんだって、いってた
 そういうときのろいは、おれもだれもいないみたいに


「でもさすがに今日は回収させてもらいます! ろいにだってちゃんとプレゼント買って来たんですから」
「ああ、クリスマスか。……猫に分かるのか?」
「こがねは『ごちそうのひ』って思ってるみたいですけどね」
「大して変わらんだろう」


 しってる
 くりすますはほしいものがもらえるひで
 おねがいをきいてもらえるひ

 まえのくりすますに、ぴっころがろいをつれてきた
 しなないでっておねがいしたら、あさにはめをあけてくれた

 ちゃんとしってるよ


「ひどいな〜。ちゃんと毎年プレゼントあげてるじゃないですか」
「プレゼントだけで済んでないだろーが! 自分の胸に手を当てて考えてみろ!」
「………」
「少しは反省しろ。お前だっていい加減いい歳だろうが」
「そうですね」
「ふん」
「『ごちそうのひ』、だ」
「!」


 ごはん、ゆきがふってきたよ
 ゆきはきれいだけど、つめたいよ
 つめたいから、はやく、はやくろいをつれてきて


「ああわかったってばこがね、すぐろいを連れてきてやるから、お前はそこでいなさい」
「にゃーッ!」
「こがね、あれはヤツが悪いんだからな」
「……にゃ」


 まっしろいにわに、まっしろいふくをきたごはんがあるいていく
 まっしろのにわに、
 ごはんのあしあとと、ろいのあしあとと、ごはんのかみのけと、ろいだけがくろい

 きれいなのに、どうして


「……にゃあ」
「…そんな声を出すな。大丈夫だ」
 ───二人ともすぐ帰ってくるから


 だっこしてくれたぴっころはあったかいけど、
 きっとふたりはつめたくなってる
 『かえって』きたら
 おかえりっていってあっためてやらなくちゃ

 ろいが、かえって、きたら


「ただいまー!」
「……に」


 おかえりなさい、ふたりとも
 あったかくなって、あったかいばしょで、いっしょにいようね

 ………ずっと