廃園

一次二次創作を含む世迷言です。何でも許せる方のみどうぞ。あくまで個人的な発言につき、転載、引用はお断り致します。

2020-06-29から1日間の記事一覧

【SSS−03】

[chapter:■009:おひるごはん■] 休日の晴れた日には 庭の木陰にシートを引いて 大きなバスケット一杯に ぎゅうぎゅうに何を詰めようか? サンドイッチにコールスロー フライドチキンに手作りのピクルスだって 昨日から仕込んだバゲットも そうそう 美味しい…

【ちいさなこいのうた2】

TQ

■ちいさなこいのうた 2 ひろいうちゅうの かずあるひとつ あおいちきゅうの ひろいせかいで ちいさなこいの おもいはとどく ちいさなしまの あなたのもとへ 「やーいい式でしたね! 嫁さんは綺麗だし飯は旨かったし!」「そうだな」 あなたとであい ときはな…

【ちいさなこいのうた】

TQ

■ちいさなこいのうた ひろいうちゅうの かずあるひとつ あおいちきゅうの ひろいせかいで ちいさなこいの おもいはとどく ちいさなしまの あなたのもとへ 「やーいい式でしたね! 嫁さんは綺麗だし飯は旨かったし!」「そうだな」 あなたとであい ときはなが…

【Blessing】

「──祝福してくれないか? ピッコロ」「……………祝福?」「───ああ。神でもあり魔王でもあるお前に祝福してもらえたなら、きっとこの子は世界で一番倖せになれる」 五月晴れの午後、神殿が位置する上空独特の真直ぐ通る風に靡く髪を押さえながら、静かな確信に…

【Better leave it unsaid, but】

「………………………あ−ブルマ………」「何?」「………………悪かったな、わざわざ……………済まなかった」「………ねぇピッコロ?」「………………?」「アタシはね、迷惑だとも思ってないし、あんたがアタシを頼ってくれた事を嬉しいと思ってるわ。………今みたいに、あんたがアタシに対し…

【僕と あなたと あなたと 僕と】

世界が秋への衣替えを始めるこの季節、騒がしき人界では上期下期の切替の真っ最中で。 悟飯の勤める大学では、世間一般で云う処の売上の締めだの商品の棚卸だのといった雑事とは無関係でいられるかと思ったが、やっぱり其処はそれ庶務の方から備品の在庫やら…

【SSS−02】

TQ

[chapter:■空への梯子] 「いよいよ救助が始まりましたね」「ああ」「地下七百メートル、落っこって生きてたんも奇跡なら、脱出も奇跡や」「きっと、世界中のレスキューマンがこの映像を見てるだろうな。だが、脱出は奇跡じゃ出来ない」「…」「どんなに不可能…

【SSS−01】

TQ

[chapter:■9月14日めざましにて] 「なんやこれ防基じゃないすか」 アナ『その下は裸なんですか?』 隊員『いや、もう一枚着てます』 アナ『そうなんですか』 ───ジッパーを引き下げて 隊員『胸毛を』 アナ(笑) 「これ、こないだ俺らが出動してた時のんすね…

【SSS-01】

[chapter:■001:晴れた日に■] 晴れた日には、何をしようか? カーテン越しの日射しに眸を伏せながら、もう少しだけ、朝寝坊を決め込むのも気持ちいい。 遅い朝御飯をバスケットに詰め込んで、庭の木陰でゆっくり頬張るのも悪くない。 ショッピング?映画?ド…

【indulge】

「デートしましょう」 二週間ぶりの休日だった。 スタッフが次々とインフルエンザで倒れる中での研究は当然ながら人手不足で、此処暫くは研究室にこもりっきりだった。たまに帰るのは着替えを取りに行く程度の時間で、それも真夜中、起こさないよう眠る恋人…

【朝の風景】

カーテンの隙間から差し込む朝日が、閉じた瞼越しに沈んだ意識をゆっくりとノックした。 浮かび上がる意識より早く、腕が肩口に掛かる重みを確認し、毛布を引き寄せ抱き締める。 ─────────その『至福』 寝起きの悪い自分と違い、普段夜明けと共に起き出す彼…

【雑文】コイノウタ

++ コイノウタ ++ 恋をしている 何時だってキミに恋をしている 見つめる視線で 霞める甘い香りで 溢れる吐息で 触れた指先で この瞬間ですらキミが愛しい キミが欲しい キミだけが欲しい 笑うキミが愛しい 泣くキミが恋しい 何処までいっても止まらないこの…

【かごめかごめ】

TQ

「しまもと」 ………呼ばれる度、じくりと痛い。 きっかけはひょんな誤解から。 その竹を割ったような潔さに見惚れた女性の隣に彼がいて、矢も盾も堪らず勝負を申し込んだ。 理由は今でもわからない。でも、あの瞬間感じたのだ。 ───今ここで彼を越えなければ、…

【櫻の花の 満開の下】

「おーい、ユミちゃん、ここやここ!」 聞き慣れた声がする。 濁った都会の空気を割るすっきりと乾いた声色に、弓生は微かに微笑んだ。 永い永い年月を共に歩いて来た。苦しい時も辛い時も………楽しい時も。 自ら人を喰らって『鬼』になった。 闇を産み、噴き…

【透きとおる愛を、あなたに】

「教授も孫先生も休憩になさいませんか? 朝からずっと温室に籠りっぱなしですよ。冷たいものでもお煎れしますからどうぞ」「ミス、マリア」「やぁ、それはありがたいね。そっちの方はどうだい? 孫君」「あとはこの苗の成長記録を写せば一区切りといった所…

【日々是好日】

TQ

洗い物は済ませた。 気になっていた水周りの掃除もした。 玄関の砂もきれいに掃いて、防水スプレーを噴き付けた革靴の手入れもばっちり。スーツのブラッシングだって完璧だ。 ここ数日の出動続きで溜まってしまっていた汚れ物は、静音が売りの最新型洗濯機に…