廃園

一次二次創作を含む世迷言です。何でも許せる方のみどうぞ。あくまで個人的な発言につき、転載、引用はお断り致します。

2020-06-04から1日間の記事一覧

【NO TITLE】

荻のクラステで「お嫁さんのベールみたいに」とかどうでしょう。 「うわ凄い吹雪だな、殆ど真横じゃないか」「君は寒さには強いのかと」「冬の極東を簡単に寒さとか言うなよ。さっさと殲滅するぞ」 正面からぶつかり巻き上がる風が、雪と片割れの男の髪を浚…

【NO TITLE】

狂騒のピエロと流血の異形、博愛を投げ売りする娼婦が三人でステップを踏み鳴らす街──ヘルサレムズ・ロット。くるくると、およそ重力や慣性と呼ばれる人界の物理的法則なぞかくや、と思わせる動きに踏みにじられた草は、泥酔した人間の声で薄汚い悲鳴を上げ…

【ラブレター・フロム】

【ラブレター・フロム】 いろいろモチーフぶっ込んだクラステ。途中いろいろあり過ぎますが、最後はハッピーエンドです。畑さんから大筋お借りしています。※ついったで連載みたいに書いていました

【雑記】

愛してるのと言えない代わり、僕を愛から遠ざける 言えた言の葉 あおいろきいろ言えぬ一葉 恋のいろ 浮いた話のふたつやみっつ まことのものならなおのこと僕のこころは腐れて沈み泥の中から背中(せな)を見る 絵筆滑らすこの絹よりも白くやわけくうつくし…

【NO TITLE】

僕にはひとりの兄がいる、という事と 僕には兄がひとりいる、という事は似ているようできっと違っていて 僕にはひとりの「愛している」兄がいる、という事と 僕には「愛している」兄がひとりいる、という事もきっとほんの少し違うのだ。 ほんの少し———もしか…

【祈る君はうつくしい】

祈る君はうつくしい パキリ、と靴底の下で薄い硬質のものがひび入る音がする。 「君は何を祈っているんだい?」「世界の均衡を」「そうだな……君らしい」「今は見えぬ小さな星でも、私は祈りたい。………君は何を祈るのかね?」「僕が? 祈る?」「うむ。君も先…

【Sweetest drop】

───温めたカップの熱が指に心地良い。 煎れたばかりの珈琲をゆっくりとマグに注ぎながら、ピッコロはふと去年の事を思い出した。 ++ Sweetest drop ++ 丁度一年前の今日、色鮮やかな小包を一杯に詰めた紙袋を両手に下げて帰宅した悟飯は、ピッコロがそれは何…

【I'm Glad There Is You】

─────ねぇ、ピッコロさん。『神様』って信じますか? 夕食後の一時。芯までほっこりと煮込まれた温かいポトフをお腹一杯に詰め込んで、何とも倖せな気持ちでコーヒーを啜りながら、僕はふと、前から聞きたかった事を思い出していた。 ピッコロさんは未だ洗い…

【キミの居場所】

TQ

ふくはうち おにはそと 家族の誰もが健康で幸せでありますように 厄を払い 福を呼び込もう けれど 暖かい家を追われた鬼の子は 冷たい冬風に身を震わせ 何処かで泣いてやしないだろうか ——二月三日。 地方によっていろいろ風習は違えども、大豆を蒔いて厄を…

【誰が為に豆を撒く】

「はい、ピッコロさん。今日は『節分』なんだそうですよ」 「………節分?」 「民俗学の教授に教えてもらったんですよ。何でも今日は『鬼は外、福は内』って呪文を唱えながら外に炒った豆を投げると………」 「鬼は外?」 「悪い鬼は家の中に入って来れなくなって…

【未来のこども】

※拍手御礼 シェルターの扉を開けば、網膜に残像を呼び起こす程の強い光が視界を灼いたどこまでも高く透き通る蒼天。思い出したかのように大地に広がりゆく緑もはや少年とは呼べない精悍な容貌の青年は、その五指を開き、黙って虚空に掲げるすり抜ける風が、…

【Giurare】

OP

「簡単だろ! 野望捨てるくらい!」 血を失い過ぎたのだろうか。全ての音が呆と、何かぶ厚い壁を通したかのようにはっきりしない。自分と大差ないように見えた金髪男の上げた掠れた叫び声が、何故か幼子が泣き叫んでいるかのように聞こえた気がして、こんな…

【きみのこえ】

TQ

【1】 「でっしょ──!? わざわざ呼んどいて『じゃあそれで』ってあんまりじゃないっすかあ!」「でも、早く帰って来れたんなら良かったじゃないですか」「そりゃそーですけど! でもそんなら明日の有給取らなくてもよかったよなーって」「どこかに行く予定…

【ラブレター】

TQ

某ボカロ歌パロ。 【ココロ×キセキ】 ゼロとイチで構成される仮想空間の中を漂いながら、『彼』──は自らの存在を確定し、その存在意義に理由を与えるコマンドコールに気づいた。 コンマ一秒も掛からずにメモリー素子が仮想シナプスを延ばし、結び付け、ケー…